彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)




「伊織、ふざけるのもいい加減にしろよ!」

「瑞希、お前は商売人気質(きしつ)が足らん。使えるものは使う。凛道の見た目は、女性客の集客に役立ってるのは、お前もわかっているだろう?」

「だからってなー!」

「おい、よせよせ!サナちゃんも伊織君も!おじさんが悪かった!」

「会長!」

「大原会長。」

「会長さん。」

「いや、凛ちゃん、ごめんな?そこまで嫌なら、おじさんも、もう言わないからな?」

「会長さん・・・」



そう言った祭りの主催者は、ちょっと元気がなくなっていた。



「ごめんなぁ。可愛いと言ったのは、本心だったんだ。馬鹿にする気は、これっぽッチもなかったんだよ。金を渡す時しか寄り付かない孫と比べると・・・あんまりにも純粋で可愛かったからよ・・・」

「会長さん。」

「嫌がらせで言ったつもりはなかったが、凛ちゃんからしたらそうだったんだな。おじさんが悪かったよ。ごめんよ。」

「いえ、僕はそんな・・・」



その発言を聞きいて可哀想になる。





(そこまで嫌って程でもないし・・・・)




そう思ったので、ションボリしているおじいさんに伝えた。



「すごく嫌と言うわけじゃないです。ただ、その・・・・可愛いというよりも、美味しそうな名前だったので・・・」

「なんだ、かじられるとでも思ったのか、凛道?」

「そんなこと俺がさせるかよ!」

「いやいや、おじさんもしねぇーから!凛ちゃんが嫌なら、それはナシだ!」

「ですからっ!」



会長さんから発言を受け、思ったことを言った。



「そこまで・・・・・嫌ではないので、瑞希お兄ちゃんが嫌じゃないなら、いいです。僕、気にしませんよ。」

「凛!?」

「瑞希次第か、お前は?」

「だ、だって・・・」



チョコちゃんと言われるのも、どうかと思うけど。



「瑞希お兄ちゃんがおかしくないって言うなら、気にならないので・・・」



むしろ、会長さんの言い方が気になる。






(自分のことを『おじさん』って・・・・年齢的には、『おじさん』じゃなくて、『おじいさん』じゃない・・・・?)




さりげなく、若者発言してませんか?



〔★中年ではなく、高齢者だ★〕



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