彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)



違うことが気になっていたので、あだ名のことはスルーした。

これに瑞希お兄ちゃんは、目を丸くした後でため息をつく。




「オメーは・・・自分のことだろう?」

「そうですけど・・・」

「まぁ・・・チョコチョコ動くのが由来(ゆらい)なら、それでもいいけどよぉ~働きすぎて、液体になるなよ、『チョコ』?」




呆れたように笑ってから、よしよしと私の頭をなでる瑞希お兄ちゃん。




「う、うん!頑張ります!」

「あははは!俺の側から離れるなよ、チョコ?」




笑顔でそう言う彼に、大きくうなずいた時だった。







「やっと見つけた、会長!いいですか!?」


「お、来たか!?」







そう言いながら、知らないおじさんがやってきた。

今度こそ、中年と言える男の人。




「人手、こっちにまわせそうなので、若いのを連れて来たんですが。」

「よく来てくれたな、みんな!」

「ちわっす!」

「ちーす!」

「おはようございまーす!」



おじさんの言葉に合わせ、背後から挨拶する若者の集団。




(男子ばっかりだ・・・)



少し年上か、同じぐらい。

1人、黒髪の子がいたけど、あとは茶髪で派手そうな子ばかり。



(というか、ヤンキーっぽいにおいがする・・・・・・・)



雰囲気で、そんな気がした。

チラッと見る私に、彼らもチラッとこちらを見る。



「会長、この子らは?」

「ああ、サナちゃん。組合の子供らだよ。」



瑞希お兄ちゃんの質問に、変わらぬ口調で会長さんが言う。



「屋台出してる人らが、使ってくれって言ってせがれを貸し出してくれてなぁ~とはいっても、ただは悪いから小遣い程度のバイト代は出してる!がははは!」

「へぇ~そりゃあ、しっかり働かせねぇとな。よろしくな、お前ら。」

「はあ・・・」

「どーも。」

「よろしくっす!」

「よろぴこー」



反応はバラバラだけど、みんな返事はきちんとした。

それはいいのだけど・・・気になる。



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