彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)
実は、私達がいる場所は、夏まつりの会場となる広場なんです。
この地域では、7月の最初の土曜日から『土曜夜市』という毎週土曜日に開かれるお祭りがスタートします。
そのお祭りで、瑞希お兄ちゃんも屋台を出すんです。
「コーヒーショップらしく、今年はコーヒーだけに力入れようと思いまして。」
出すのはもちろん、コーヒーショップ。
バリスタの卵である瑞希お兄ちゃんは、普段、コーヒー専門店で働いています。
学んだことを生かそうと、自宅兼店舗で自分のお店をしていたりします。
ただし、それは時間がある時だけ。
おまけに、時間のあいてる時だけしているので、とても不定期です。
「普段やってる不定期開店だと、どの商品がよく出てるのか集計しにくいんですよね。その点、必ず人が来る祭りとかイベントだと調べやすいし、今後の参考になりますから。」
(さすが瑞希お兄ちゃん!職人として、経営者として、立派なお考え・・・!)
〔★瑞希への好感度が上がった★〕
うっとりしながら、瑞希お兄ちゃんの話に聞き入る僕。
もちろん、そう思ったのは僕だけじゃない。
「なるほどな~集客に、マーケティングね~ちゃんと考えててえらいぞ、サナちゃん!頑張れよ!」
「ありがとうございます、会長。」
瑞希お兄ちゃんが話をしているおじいさんも感心したように褒めてくれた。
ちなみにこの方、毎年夏祭りをしきっている責任者であります。
今日は、現場の下見も含めて、打ち合わせにきています。
周りは、大工道具で作業する人達や忙しそうな大人でいっぱいです。
僕達3人は、その人込みを避けるように、木陰の側でお話中。
といっても、打ち合わせをしてるのは、瑞希お兄ちゃんと会長さん。
おまけでついてきた私は、2人の横で静かにしてます。
良い子にしてます。
会長さんからもらったストローつきのジュースを飲んでいるのです。
熱いに冷たい飲み物・・・ストロー付きは助かります。
なぜなら僕は、シルキロールという、耳に引っ掛けて、鼻まで隠すマスクをつけています。
布の下から、水分補給ができるので便利なのです。
顔を隠してますが、照れ屋というわけじゃありません。
あと、日焼け止めをしっかりぬっているので、顔が二色に焼けることはないです。
〔★準備万端だ★〕