彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)




カオスな空気はいつものことだけど。

これ以上彼らといたら、ボロが出るかもしれない。





(友達のためとはいえ、瑞希お兄ちゃんに合コンに行くと知られたくない!)





そう思ったので話を切り上げた。





「じゃあ、僕はもう行きますね!」

「あ?もう行くのか、凛?」

「ええ、待ち合わせに遅れたらイヤなので、早めに行きます。」




そう伝えたら、3人の顔つきが変わった。




「凛ちゃん、あなた・・・・・その格好で行く気!?」

「そうですが?」

「おいおい、凛!嘘だろろう!?その服ほとんど毎日着てるよな?くたびれた服で行く気か!?」

「え?くたびれてますか・・・?」

「そうだぞ、凛。モニカと高千穂の言う通りだ。せめて頭だけでも・・・ウルフにしていけよ?」

「え?いや~別に、そこまでする必要は~」

「あるわよ!今の凛ちゃんも可愛いけど、同窓会スタイルとしては、だめよ!ダメダメ!オシャレ番長のモニカちゃんが、綺麗にしてあげる!」

「ええ!?」

「いいっすね、モニカ先輩!あたしも手伝います!」

「な、カンナさん!?」

「同感だ。俺も時間あるし、付き合うぜ!」

「瑞希お兄ちゃんの参加は嬉しいですけど!」



「じゃあ、ファッションセンスあふれるモニカちゃんのお着替え決定ね~」

「「おーう!!」」


「って、僕の意見は無視-!!?」






さっきまで、バラバラだったはずの3人が、私をきっかけにしてまとまる。

同時に、盛り上がる彼らに戸惑う私。





「瑞希お兄ちゃん、モニカちゃん、カンナさん!僕はこのままで、いいです!顔見知り同士の食事会なので~」

「だからこそ、凛ちゃんを可愛くしなくっちゃ!」

「つーか、龍星軍の頭として、かっこいい方向で頼みます、モニカ先輩!」

「凛、ここはモニカに・・・俺らに任せろ!知ってるよな?龍星軍の裏の掟は?」

「う!?それは~・・・・」


「先輩の言うことは絶対服従♪」

「「絶対服従!」」


「・・・・・・みたいですね・・・・・・・・」






満面の笑みで瑞希お兄ちゃんに言われ、両側をモニカちゃんとカンナさんのそれぞれにつかまれる。


こうなっては、断れそうにない。



〔★止められそうにもない★〕



こうして私は、強制的に着せ替えられることとなった。


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