彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)
半ヘルメットをかぶった私は、バイクを走らせていた。
「はぁーひどい目にあったなぁ~」
合コンに行くことはバレなかったが、強制的にコスチュームを変えられた。
(子供の時は着せ替え人形が好きだったけど・・・・自分がそうなると、あまり楽しくないな・・・)
ただでさえ、男の子のふりをしていて、着替えには敏感になっている。
気を遣う。
緊張する。
それでも、彼らが・・・特にモニカちゃんが、好意で用意してくれた服を辞退することは出来なかった。
”凛ちゃんのために作ったのぉ~どれがいい!”
(満面の笑みで、20着も持ってこられたら断れないよね・・・・・)
〔★持ってき過ぎだ★〕
そのことを思い出してため息をつく。
(これで『実は合コンでした』ってわかったら、めちゃくちゃ怒られそう・・・・・)
〔★荒れ狂うだろう★〕
けっきょく、カンナさんに本当のことを言えなかった。
仲間はずれにするつもりはないけど、悪いことをしたと思う。
(とはいえ、同じようにヒマだったモニカちゃんが、カンナさんを連れて遊びに行ってくれたからいっか。)
瑞希お兄ちゃんは瑞希お兄ちゃんで、お仕事に出かけちゃったし。
でも、明日はお休みって言ってたから、一緒に過ごせるよね!?
(それを楽しみに、合コンを乗り切ろう!!)
決意を新たにして、アクセルを動かす。
程なくして、指定された待ち合わせ場所につく。
その近くに単車を止めたら携帯が鳴った。
ピヨヨン、ピー!
「あ、メール。」
瑞希お兄ちゃんが選んでくれた着信音。
ヒヨコがメールをくわえてやってくる画面が出る。
可愛いのですごく好きだ。
良いと思う。
〔★4代目龍星軍総長としてはビミョーだ★〕