彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)
「うるせぇ!!当分、そのニヤけてしまりのない面見せるな!オメーらもだ、大河、悠斗、秀、可児、ヤマト!このナンパ馬鹿共!」
「お、おい、カンナ!」
「話聞いてくれよカンナぁ~!」
「つーか、クラス同じだから顔は毎日合わせるだろう!?」
「俺はクラス違うぞ。」
「わしは学校からして、違うのぉ~うはははは!!」
「そうだよ!!凛共々、普段から見る機会がなくてよかったぜ!」
「そんなーカンナさん!」
「ふん!!」
顔見世現金宣言をした男子達の言葉に対し、彼女の返事の内容がきつかった。
「待ってください、カンナさん!行かないでください!」
引き止める声を出すが、彼女は振り向くことなく出口へ向かう。
「カンナさん!」
「やめなよ、蓮君!」
「ますみちゃん!?」
「あそこまでひどいこというのに、まだすがっちゃうの?行かせないんだから!」
「そうよそうよ、ますみの言う通り!目を覚まして!」
「凛道君に真実の愛をわかってもらうためなら~ミッチーも離さないもーん!!」
「ぎゃあああ!ちょっと!?」
わけのわからないことを言いながら、まずみちゃんを含めた女子高生たちが私の体にくっつく。
〔★凛は動きを封じられた★〕
「だから、僕の意志をあなた方が決めないでください!ますみちゃんも、みんなも離して!カンナさーん!」
邪魔するJK相手に自由な声で、大事な親友を呼ぶ。
「行かないでください、カンナさん!!」
「きゃ!?」
「あん!?」
「えー!?か弱い乙女相手を、振り払っちゃうのぉ~!?」
「払いますって!!」
なんとか女の子達を引き話し、カンナさんを追いかけようとしたのだけど。
「凛。」
「わ!?え?瑞希お兄ちゃん!!?」
ゆく手に立ちふさがったのは、本命である愛しいお方。
「なんですか!?すみませんが、そこを通し――――」
「見損なったぞ、凛。」
「え・・・?」
見損なった?
「―――――――オメーを見損なったぞ、凛!」
パァン!!
「あ痛、えっ!?」
にらまれたと思ったら、カンナさんが殴ったのとは逆の頬を叩かれた。
思ったより痛くなかったので、手加減はしてくれたんだと思う。
しかし、問題はそこじゃない。