彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)
「瑞希はんに関しては、夜市で誤解といたらええやん!うはははは!ブラコンやからそのへんは~」
「無理だよ。」
「なんや!弱気やのぉ~!?」
「そうじゃないです!『来るな』って言われたんだ・・・・」
「うは!?拒否られたんかっ!?」
「うん・・・」
凛道蓮用の携帯画面を見せながら伝える。
あの後、瑞希お兄ちゃんからメールが来た。
必死で、彼女がほしくて合コンに出たんじゃないと訴えてメールした。
「その返事がこれですよ・・・・!」
「あーあーほんまや!『お祭りの手伝いにも来なくていい』かぁ!まいったなぁ~!うはははは!」
「それは僕のセリフです!!」
(誰のせいでこうなったと思ってるのよ・・・・!?)
「ヤマト・・・・俺に言うことあるよな・・・!?」
凛道蓮モードで聞けば、シャーペンを指でくるくる回しながら言った。
「せやな~凛には言わんとなぁ~!」
「わかってはいるんですね・・・!?」
「うはっはっはっ!なに言うてんねん!よう気づいたのぉー?」
「気づいた?」
「わし、今度デートすんねん!一目惚れをしたあの子と!」
「嬉しいお知らせかよぉ!!?」
〔★おめでた報告だった★〕
「上手くいったんですか!?」
「うはははは!思い切って、めっちゃ好きやねんって言うたらぁ~彼氏にしてもらえたぁー♪」
「いつの間に!?」
ますみちゃん達からのしつこいアプローチから逃げる私同様に、ヤマトはヤマトで頑張っていたらしい。
「す、すごいね・・・いや、本当によかったよ。おめでとう。」
「うははは♪おおきに!わしだけ幸せですまんのぉ~」
「あ、時間ですね。私、自分の教室に帰ります。お互い、テスト頑張ろうね、五十嵐君。」
「あー待った待った!いつもより4分速いやん!?しかも、五十嵐君って呼び方してからにぃ~怒ってへん!?」
「学校では、『五十嵐君』、『菅原さん』でしょう?急ぐのは、トイレに寄りたいからです。」
「いつもは、それも計算に入れて立ち去ってるやん!?まだ教えてほしいところが~!」
「わかったよ!わかったから静かにして下さい!」
人が来たらどうするんだと思いながら、残り4分もヤマトに付き合う。
同時に思う。
(ヤマトに八つ当たりしたって仕方ないもんね・・・)
〔★素直に祝福できない凛がいた★〕