彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)



(私って、心がせまいかもしれない・・・最初から、ヤマトへの恩返しのために、合コンに参加したんじゃない?)




それで彼女が出来たんだから、喜ぶのが普通なのに・・・・嫌な子だな。





「あかん!これだと、明日も危ないわ!」





あせるヤマトの声で我に返る。

あかん=ダメ、ということを考えながら彼の方を見る。

彼が解き終わった解答を見て、私も『あかん』と思った。




「本当ですね・・・!?これじゃあ、テスト対策で渡したノート、意味がなかったかも・・・」




ヤマトへのノートは、結構力を入れて作った力作。

細かい解説まで入れたので、それでこれだけ不正解とは・・・・





(私、人に教える才能がないのかなー・・・・)




思わず凹んでしまったが。




「そないなことあらへんで!凛は完ぺきや!わしのために、こんなに尽くしてくれたやん!?友情の涙で大洪水ものや!」

「ヤマト・・・!」





私の気持ちを察したのか、励ましてくれる相手に感動を覚えたが―――――






「あかんかったとしたら、時間やで!」

「時間?」

「そや!一晩漬けで今日のテストの数教科の丸暗記をしたことやな!つーても、昨日は合コンやったから、しゃーないがのぉ~!うははははは!」

「テスト勉強はじめたのは昨日からですか!?」




そりゃあ、こんな正解率しか出ないでしょう!?




〔★スタートの遅さが原因だった★〕



「ちょっと、ヤマト!一夜漬けにならないためにも、私は1週間前からノートを渡していたでしょう!?」

「うははっは!そこは、彼女が出来た記念に大目に見てやーん♪」

「そのおかげで僕は、瑞希お兄ちゃんに誤解されましたけどね!?」




〔★凛の恋愛運は悪くなっていた★〕


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