彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)



今でこそ穏やかな瑞希お兄ちゃん。

そんな彼と私を見比べながら会長は言う。



「しかし、サナちゃん。お前、弟が2人いたんだな?」

「はあ?俺、1人しかいないですよ?」

「いや、オメーが頭をなでてる凛ちゃんと、もう一人いるんだろう?ヤンキーの暴れん坊が!」

「あ~それが・・・・」




(私です。)




言いにくそうにしている瑞希お兄ちゃんの代わりに、心の中でつぶやく私。




「ダメだぞ!凛ちゃんみたいに育ててやらねーと?なぁ、凛ちゃん?」

「いや、その・・・・・すみません。」

「ははは!なに謝ってる?ホント良い子だなぁ~ヤンキーと無縁でよぉ~」



いやいやいや。

関係あります、違います。



(思いっきり、ヤンキーなんですが・・・・)




気まずい思いで、瑞希お兄ちゃんを見れば、苦笑いしていた。

無理に修正しなくていいという合図。



「ははは!いまどき、こんな小動物系の男子はいないからなぁ~いじめられたら、このおじちゃんに言えよ!助けてやるからな、凛君よ?」

「あ、ありがとうございます・・・!」



親切な言葉に、だましているようで悪くなる。



(見た目は、普通の男の子にしてるけど~)




その正体は、『龍星軍4代目総長』、凛道蓮。

初代総長の真田瑞希さんから龍星軍を引き継いだ後継者。

『男子』としては小柄ですが、武術の腕前は高い新米ヤンキー。

格闘技と合わせて、トンファーという飛び道具を使って戦います。

でも、基本は平和主義者で喧嘩が嫌いなので、自分から戦うようなことはしないです。

自覚はないですが、か弱い小型動物のなのですよ~



〔★見た目だけだ★〕




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