彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)
「じゃあな、凛!良い子で寝てろよ!」
「お兄ちゃん、僕も夜店に行きます!」
「俺と烈司と伊織で行くから却下だ。伊織、凛を部屋まで連れてってくれ。モニカだとセクハラの危険があって信用できねぇ。」
「前科もあるからな。来い、凛道。」
「あーれー!?」
「失礼よ、あんた達!?イオリンも、凛ちゃんの首根っこをつかんで運ぶのはやめてちょうだい!」
「じゃあな!ちゃんと休めよ、凛!」
「ああ!行かないで、お兄ちゃん!瑞希お兄ちゃーん!」
駄々っ子みたいに暴れながら呼べば、瑞希お兄ちゃんが立ち止まる。
「おやおや~瑞希?」
「わはははは!ユーターンか~!?」
両隣にいた烈司さんと百鬼の視線を受けながら、こちらへと無言で引きかえしてくる。
私の目の前で止まると瑞希お兄ちゃんは言った。
「凛を夜店の手伝いに連れてくぐらいなら、ますみの方へ行かせる。」
「え?」
「だから今日は休め。」
「瑞希お兄ちゃん・・・・・」
「凛、自覚がないみてぇだが、お前は精神的にも疲れてる。良い子だから、寝てろ。お兄ちゃんの言うこと、聞けるよな?」
「はい・・・」
優しい顔で、よしよしされ、言い返せない。
「後は頼んだぜ、オメーら!円城寺達も、適当に解散しろよ。」
「無論だ。しっかり稼いで来いよ。」
「お前らは、凛たんをしっかり世話しろよ。」
「もちろんよ!凛ちゃんのためにアセロラジュース用意するわね~」
「じゃあ、俺らも帰るか?」
「瑞希先輩、途中までお見送りします!」
「俺は凛さんにもう少し付き添いを~」
「したら、逆に凛が気を使うだけだ。大河、可児、ありがてぇが今日は帰れ。高千穂、頼むぞ?」
「わかってますよ!凛、ちゃんと寝ろよ!こい、大河、可児!」
「お、おい、引っ張るな!」
「くぅ~凛さん、お大事に~!」
「それじゃあ、俺らも失礼します。」
「待てよ、カンナ―!」
「うぅ!凛~復縁頼むでー?」
「わはははは!しつけーな、グラサン。」
楽しそうに遠ざかっていく瑞希お兄ちゃん達。
私は、獅子島さんにつままれ、部屋へと連れていかれる。
モニカちゃんは、私のためにキッチンで飲み物を用意しはじめる。
(心配しなくても・・・・自覚はしてますよ、瑞希お兄ちゃん。)
重いまぶたを閉じる。
今日一日、いろいろありすぎた。
とりあえず、今夜は友達の家に泊まると言っておいてよかったと思った。
~漢はいつでもアバンチュール!?4代目総長の受難!!~完~