彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)
「オラ!」
「このっ!」
そんな周囲の理解もあって、2人は喧嘩に集中できていた。
「二度と凛に手ぇ出せねぇようにしてやんよ!」
「カンナさん!」
そう言って振るったカンナさんの拳が――――――――
バシッ!
「オラァア!」
ドスっ!
「ぐっ!?」
「カンナさん!?」
はじき返され、代わりにお腹に一撃を食らう。
「馬鹿が!何度も食らってたまるかよっ!」
「ゲホ!くそ~!」
「さすが、はすみさん!」
「カンナさん!逃げてぇー!」
「ほらほら!お玉も逃げろって言ってんぞー!?」
私の言葉に、ムカつく口調ではすみさんが言うが―――――――
「黙れババア!!」
パアン!!
「あぐ!?」
「あ!?」
「ひ、平手!?」
身をかがめていたカンナさんが、飛びあがりざまに、相手の頬をひっぱたいた。
「っ~!?テメー!」
「あははははは!顔を腫らせば、冷やさなきゃなんねぇだろう?登った血も―――――ついでに冷やして来いやぁ!」
「ざけんなぁ!!」
ビシ!バキ!ドス!バシバシ!
「あ、あ、あ、あ・・・・!?」
「すっげー殴り合い!」
「高千穂カンナ、強っ!?」
「はすみ先輩の方がすごいだろう!?」
「てか、互角!?」
「どっちもいいぞ!」
「やれやれ!!」
「あおるなっ!弁才天と野次馬ぁ!!」
ハラハラする私をよそに、ノリノリで戦うカンナさんとはすみさん。
「ひぃい!凛道蓮がキレた!」
「す、すんませーん!」
「俺ら関係なくて~」
「だったら、スマホで動画を撮るなっ!!お前らも写メるな!ぶっ飛ばすぞっ!?」
それにエールを送るヤンキーガール達と、見物人を怒鳴った時だった。
ファンファンファン!
「コラー!そこの龍星軍やめなさい!」
「え!?」
赤いライトをつけた白黒の車が、龍星軍だけを名指しで注意してきた
「あ!?あのパトカーに乗ってるのは~!?」
助手席から身を乗り出しながら、スピーカーでこちらへ訴える男を私は知っていた。
「バラさんのダメっ子部下の岩倉さん!?」
「聞えてるぞコラ~!!」
〔★お坊ちゃん警官だった★〕