彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)
夕焼けの道を2人で走る。
「単独行動もほどほどにしろよ、凛!」
「ごめんなさい、カンナさん・・・・」
瑞希お兄ちゃんの職場へ行くはずが、イレギュラーで、はすみさんと再会してしまった。
ますみちゃんに会わせてもらう条件でタイマンを申し込まれたが、それを代わりに引き受けてくれたのがカンナさんだった。
「まったく!話聞きながら、冷や冷やしたぜ!性同一性障害調べるために、あたしらと交信を絶ってたのか!?」
「そこから聞いてたの!?」
「けっ!知るか!やっぱり、あたしが守ってやんなきゃダメだなぁー」
そう言って、ため息をつく表情がミラーに映る。
その表情を見ていたら、言いたかった言葉が出てきた。
「カンナさん・・・」
「なんだよ。」
「同窓会だって嘘ついて、ごめんなさい。」
「はあ!?今さらかよ!?」
「だって、言うきっかけがなかったから!本当にごめんね・・・仲間はずれにして、悪いと思ってあんだけど・・・・」
「けっ!言い訳は、悠斗達で十分だよ!しっかし、オメーも運がないな?」
ミラーで私を見ながらカンナさんが言う。
「ヤマトのために合コンに参加したのに、肝心のヤマトはフラれやがってよぉ~」
「ホント・・・そこだよねー」
「なぁ、ヤマトの好みってどんなんだった?一目惚れだろう?」
「えーと、モデルしてる子でしたよ?美人で、リリって名前で・・・」
「あ!?もしかして、ノンノンのモデルのリリか!?」
「お知り合いですか?」
「向こうは知らねぇだろうけどな!けっこう、雑誌に出てるメジャーモデルだぞ?」
「そうでしたか。」
「ホント、他人事な言い方が多いよなぁ~凛は?まぁどうでもいいけど・・・・・お前さ、小林涼子とは、仲良いのか?」
「あれ?言ってませんか?てか、カンナさんのクラスメートですよね?」
「そうだよ!こっちが知らねぇ間にお前は~!ますみといい、小林といい、ほどほどにしろよ!?」
「はあ・・・?」
(なにがほどほどなんだろう?)
ますみちゃんはともかく、涼子ちゃんは・・・・?
もしかして、伝言を頼むこと、とかかな?
うん、確かにそれじゃあ、便利に使ってるだけだよね。
カンナさんの言い通り、涼子ちゃんに対して失礼になるわ。
〔★凛はわかっていない★〕