彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)
「わかりました、カンナさん!気をつけます!」
「今日は疲れたから、どういう意味で気をつけるのかは聞かないでおく。ぜってぇーわかってなさそうだからな・・・・」
「え?なにかいいましたか?」
「なんでもねぇよ!あーあ、もう今日は引き上げようぜ!どうせ、真田先輩の店で、龍星軍も全員待ち伏せしてるからよ。」
「待ち伏せ!?」
「そうだよ!凛と連絡が取れねぇって、真田先輩も心配してたんだぞ!?」
「すみません、瑞希お兄ちゃん!ああ・・・盗聴器と盗撮の心配があるばっかりに、お兄ちゃんへの連絡を控えていたのに、ご心配をおかけしていたなんて・・・!」
「お前、どれだけ修羅場に好かれてるんだよ!?いっぺん、宗方先輩にお祓いしてもらえよ!」
「うう・・・やっぱりそうでしょうか?」
「凛のお願いなら、あの人は喜んでするだろうぜ!」
〔★定期的にするだろう★〕
「ちなみに、お祓い料金って、相場はいくらですか?」
「あたしに聞くなよっ!あ、そういや~百鬼さんがよ、凛の単車直ったから伝えろって。」
「えっ!?本当ですか!?」
「おう。報酬は金じゃなくて、桃山女学院の女を2、3人ほしいってよ。」
「そこは聞かなかったことにします。イケニエを探すのは嫌です・・・」
「ぷっ!そりゃそうだ!嫌いな女を差し出すならいいけどよぉ~」
「嫌がらせじゃないですか!」
「つーか、ガソリンヤバいぞ。そこのスタンドで入れてこうぜ!」
「え・・・あ!?本当だ。お願いします。」
見つけたのは、年季の入った給油施設。
個人でしているのか、年配のおじいさんが対応してくれた。
「じいちゃん!満タンで頼む!」
「はい、まいど!弟かい?」
「せめて、兄弟と言って頂けませんか・・・?」
「誰がオメーの姉貴だよ!?まぁ、立場的にはあってるけどよぉ~!?」
「はははは!恋人同士じゃなさそうじゃな?とても、彼女には~」
「って、コラジジィ!?」
「そうなんですよ。あ、おいくらですか?」
「凛テメーも!悪かったな、がさつで!」
「痛いっ!?もぉ~叩かないでくださいよぉ~」
すねたカンナさんが私から離れる。
背を向けて空を見る。
それにつられて、私も上を見た。