彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)
「美味いか?」
「美味しいです!ありがとうございます、カンナさん。」
「たくっ!これからは、凛のためにストロー携帯しなきゃダメだな~?」
「いえ、そこまでして頂いては悪いです!僕、カンナさんにもらってばっかりで・・・」
「あははは!じゃあ、そのうち礼しろよー?」
「もちろんです!お返しをー・・・・」
そこまで言って思い出す。
「カンナさん。」
「ん?」
「今、お礼してもいいですか?」
「はあ!?」
目を見開いたカンナさんが私を見る。
「本当に、今さらというか・・・こういうのはタイミングが難しいと言いますか~」
「な、なんだよ?」
「これ。」
ポケットの中身を差し出す。
「お好きかどうかわかりませんが、僕からのプレゼントです。」
「プレゼント!?凛があたしに!?」
「受け取ってくれますか?」
「うっ・・・あ・・・い、いいけど・・・」
少し視線を泳がせた後で、私からのプレゼント受け取るカンナさん。
「見てもいいのか・・・・?」
「是非。」
そんな私の言葉を合図に、その場でリボンをほどき始めるカンナさん。
そして出てきたのは―――――――
「あ・・・これ・・・」
小さいキラキラ。
「ピアス?」
「はい!高校生がピアスっていうのも、校則違反ですが~いつも、ピンク色をつけてるじゃないですか?」
「意外・・・パワーストーンとか、天然石じゃねぇんだな?」
「す、すみません!予算の関係で~」
「いいけどさ~どんな理由で真っ赤にしたんだよ?あたしが、返り血が似合う鬼姫だからか~」
「ちがいますよ!ちゃんと見て下さい!」
「あ?」
「ほら、光にあてて~角度を変えたら中に~」
「あ・・・ハート・・・?」
角度を変えて見れば、赤いクリスタルの中にハートマークが浮き上がる。
「ねっ!?かわいいでしょう~!?」
「・・・凛、お前・・・・」
自身を持って言えば、なぜか微妙な顔をするカンナさん。
「よくあたしに、ハート入りのピアスを贈れたもんだな?」
「え!?ダメでした!?」
「だめっつーか、なんで?」
「すみません、予算の関係で~」
「ばーか。」
私の答えに、カンナさんは呆れた顔をする。
楽しそうに笑う。
そして、つけていたピンクのピアスをはずす。
入れ替わりに、私があげたピアスをつけてくれた。