彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)
「そういう意味じゃなかったんだが・・・まぁいい。凛、腹減ってないか?」
「え?」
「好きなもの食わせてやるよ。出前取ろうぜ。」
「あ、あの!それでしたら、僕が作りますよ?」
「つーても、ここ五十嵐の家だぞ?」
「大丈夫です!大体は、把握してます!」
「はあ!?なによ・・・そこまで通ってんのか!?」
「え?そんなことな~」
「あるだろう?キッチンの道具の位置まで把握してるって、そういうことだろう。」
そう言うと、今度は私のアゴをグイッと掴みながら言った。
「凛、ちょっとそれ、お兄ちゃん心配だぞ・・・?」
「あ・・・」
怪しまれてる!
自分の発言ミスとはいえ、瑞希お兄ちゃんは私に疑惑の目を向けている。
てか、この距離で見つめられると恥ずかしい!
嬉しいけどにやけちゃう!
そんな顔になったら、「真面目に聞いてるのか!?」と怒られちゃう!
怒る顔も素敵で、ゾクゾクするけど~~~~!
(よし!話題を変えよう!)
「じゃ、じゃあ!もっと僕に構って下さい!!」
「は?」
知恵を絞り、不自然でない内容で、自分の欲望を彼にぶつけた。
「最近全然、瑞希お兄ちゃんと2人きりじゃない!かまってもらってません!!」
「あ・・・はあ?なんだそれ?」
「そうでしょう!?それなのに、僕がヤマトと話すぐらい~瑞希お兄ちゃんも烈司さんと話すことが多いじゃないですか!浮気者!!」
「はあっ!?なんでそうなるんだよ!?キモイこと言うな!烈司は~」
「幼馴染の親友でしょう!?僕だって、ヤマトは変人だけど大事な親友です!!」
「高千穂は良いのかよ?」
「高千穂さんもです!」
「可児は?」
「可児君も・・・たぶん。」
「たぶんかよ?」
「だって、僕がフレンドリーにしても、付き人みたいな感じなので・・・対等な友でありたいのに、未だに舎弟とかわけのわからないことを言うので・・・・・」
「ああ、そういう意味か?」
「そうですよ。円城寺君に関しては・・・・対等でなくても、仲間意識を持ってくれていたら嬉しいです。」
「大河には、ずいぶん気を使うんだな?」
「とっちゃいましたからね。4代目頭を。」
それで私のアゴをつかむ瑞希お兄ちゃんの力が一瞬強くなる。
こわばるような振動が伝わってくる。