彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)
「ところで、凛。俺がやったアイテムは参考になってるか?」
「え!?ああ、あれですか!?」
「どっちがよかった?」
「どっちといわれてましても・・・」
ドラクエとギャルゲーを思い浮かべてみる。
「どちらも一通り見ましたが・・・・・」
「それもそうか。あれ、手に入れるの苦労したんだからな!大事にしろよ?」
「も、もちろんです!瑞希お兄ちゃん!」
そうよね。
ドラクエはともかく、ギャルゲーを元ヤンの瑞希お兄ちゃんが買いに行くのは勇気がいるでしょう!
(そうだ!ギャルゲーと言えば・・・・!)
「瑞希お兄ちゃん!!」
「なんだ、真面目な顔して?」
「お、お、お兄ちゃんは・・・・」
ギャルゲーで思い出す。
ずっと気になっていたこと。
聞きたかったことを。
「瑞希お兄ちゃんは現在・・・・彼女いますかぁ!!?」
「彼女?」
(そうよ!告白しようにも、彼女がいたら失恋決定だもん!)
〔★最初に確認することだ★〕
私の一世一代の質問に、彼はキョトンとした顔で言う。
「あれ?言ってなかったか?」
「聞いてません!聞いておかねば、今後に関わります!!」
「ふーん、どんな風に今後に関わるか知らねぇけど、当分フリーだぞ。」
「やったぁぁぁぁ!!!」
よかったぁぁぁぁ!!
一番問題な案件、大丈夫だった!!
〔★本当は最初に確認しなければいけないことだ★〕
「って、なに喜んでんだ!?俺に彼女がいないのがそんなにうれしいか!?」
「うれ・・・い、いえいえ!今のは、『やぁ~だって、あの瑞希お兄ちゃんが恋人がいない!?』という意味です!?」
「俺の名前、言ってなかっただろう!?」
「心の中で言いました!てか、本当ですね!?恋人いませんね!?好きな人とか、片想いとか、そういうのもなしですよね!?まさか、大穴で婚約者とか!?」
「いねえーよ!それこそ、フィアンセなんぞいれば、最初に凛に紹介してるだろうが!?」
「ですよねー♪」
「なんか、嬉しそうに見えんだけどなぁー」
「すみません~ブラコンなので、当分構って頂けると思うと、つい♪」
「まぁいいけど・・・・。今は、バリスタのことに専念したい。なによりも、手のかかる弟がいるからな?」
「え!?」
(それってまさか・・・・私・・・・?)
ドキドキしながら、目だけで相手を見る。
これに、瑞希お兄ちゃんはイタズラ小僧みたいにニヤリと笑う。