彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)




話がまとまったところで、はすみさんが言った。





「じゃ、あたしらこれで失礼します!帰るよ、ますみ。」

「うん!蓮君、今日は本当にありがとう。」





姉の言葉で、はすみさんのバイクの後ろへと座るますみちゃん。

そして、私へと手を振りながら言った。





「ますみね、蓮君のこと忘れない!」

「ますみちゃん?」

「ますみ、蓮君にはフラれちゃったけど・・・・頑張るから。」

「え?」





あれほどしつこく、【凛道蓮】に執着していたますみちゃんの一言。

ビックリしていれば、彼女はさらなる言葉をつむいだ。





「ますみ、もっといい女の子を目指していくから!これからは新しい出会いと恋にすべてをかけていくよ!」

「ますみちゃん・・・」

「応援してくれるよね、蓮君?」

「うん・・・ますみちゃんの幸せが僕の幸せだよ。」

「ありがとう・・・・!」





そう言ったますみちゃんの目から、一筋の涙が流れた気がした。

でも、暗かったのでよく見えなかった。

なによりも、確認する間もなく、彼女は笑顔で言った。





「蓮君、龍星軍の初代さんも現役さんも、ありがとうございました!」

「本当に、姉妹共々もお世話になりました!!このお礼は改めまして!失礼します!!」



ドゥロロロローン!


バーバーバー!

クアーン、クアーン!

ドドドドドッ!!



はすみさんのバイク音を合図に、いっせいに仲間のバイクも火をふく。





「蓮くーん!!またねぇ~!!」




そう言いながら手を振ると、ますみちゃんは行ってしまった。


姉であるはすみさんと、弁才天のレディース達に守られながら。




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