彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)
◆南無阿弥陀仏!度胸試し(!?)もほどほどに!!
その日、あゆみが丘学園は大騒ぎだった。
「聞いたか!桃山女学院の制服コンテスト!」
「知ってる、知ってる!ミス・桃山女学院にフラれた蛇の目の幹部で元カレが、復讐しようとした奴だろう!?」
「俺、昨日、見に行ったんだけど、マジエロかったぜ~!」
「ありゃあ、セクシーコンテストだったよなぁ~!?」
スケベな顔をして話すクラスの男子に、顔に出さないように、心の中でうんざりする。
聞えてくる会話からわかったこと。
「まさか、ミス・桃山女学院の美少女が、美男子だったとはなぁ~!」
ますみちゃんの素性が、他校にばれてしまったこと。
「だからって、無関係のモデルの女子を巻き込むかぁ~!?俺ら的には美味しいけどさ~」
「それがさ、ミス・プリンセスに負けた先輩後輩が共犯らしくて、水をかけたらとける制服と知ってて、被害者の振りしようとしたらしいぞ!」
「マジかよ!?こえぇ~!憎い相手を恥かかせるためなら、自分も恥かいていいってか~!?」
「共犯者作りもエゲツナイぜ?自分の親よりも立場が弱い親を持つ生徒を狙って、無理やり協力させたんだってよ!」
(いじめをやってお前らが言えることか。)
それはさておき、実際天罰は下っていた。
ますみちゃんを罠にかけようとした悪女達の悪行は、噂として町中にバレていた。
昨日の事件に関係なく、桃山女学院は予定通り今日から夏休みになっていた。
しかし、学校側から保護者への説明会が本日行われること。
悪質な犯罪に関わった生徒達の一部を、退学処分にするという噂。