彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)
「まさか、あのカナコさんが共犯なんてねぇー高校3年で退学とか、バカしたよねぇ~?」
「そういう感じだったじゃない?女から見たらわかるっつーの!」
「今回は、PTA会長の桐壺家がマジキレしてるって!」
「当然よ。愛娘のデザインした制服がお色気道具に使われたんだもん。あたしでもムカつくし~」
「けど、一番のびっくりしたのが~」
「「「「「「「その事件を解決したのが、龍星軍4代目総長の凛道蓮さんってこと!!」」」」」」
(そこだよねぇー・・・・)
男子も女子も、声をそろえて楽しそうに私の話をしている。
極力、空気になりながら次のテストの教科書をめくるが、どんなに集中していても耳に入ってきた。
「噂では、ミス・プリンセスが凛道さんの彼女らしいんだって!」
「え!?凛道さんって、男もOKなのぉ~!?ヤバい、ウケる!」
「なんかぁ~男と知ってて、ミス・プリンセスへの元カレの復讐を阻止したらしいよぉ~!」
「みつるん、見に行ったんでしょう!?どうだったの!?」
「そりゃあ、もうハチャメチャの硬派だぜ!つーか・・・めっちゃ感動したぜ、凛道さんの演説!性差別反対ってことで、議員まで黙らせてよぉ~」
「えー?敦盛議員を!?やるじゃん、蓮様ぁ!」
「おまけに、影の集団を従えて、乗り込んだらしいぞ!裸にされたモデルに、光の洋服を着せて守ってよぉ~3D絵以上のファッションショーとかマジパネかったし!」
「なにそれ!?詳しく聞かせてよっ!」
テスト前だと言うのに、盛り上がるクラスメート。
「あーあ!凛道さんが来るってわかってたら、写真撮りに行ったのに~」
「ねぇ、みつるん!写真は!?凛道蓮の写真、撮ってないの!?」
「あ、ああ・・・撮るには撮ったんだけど・・・」
「え!?見せて見せて!」
(え!?撮ってるの!?)
ますみちゃん達への撮影はわかっていたが、自分への撮影は頭になかった。
勉強するふりをして耳を澄ませる。
(写真から、私だとバレないよね・・・?)
内心、ガタブル震える私の耳に、いじめっ子達の声が響く。