彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)
「だから、瑞希お兄ちゃんはあんなに僕を・・・」
「ば、ばか!幽霊物件って知らなかったから、それにビビっただけで~!」
「素直に心配って言ってあげようぜ、瑞希―?俺も瑞希も、『出る物件』だってわかってて遊びに行ってるもんだと思ってたからな~?」
「えっ!?僕の知らないところで、そんな誤解が発生してたんですか!?」
「そうだよ!だからな、凛!これからは、遊びに行く前に確認を~!」
「嬉しいです・・・!」
「あ?」
「勘違いとはいえ、ずーっと、瑞希お兄ちゃんは僕を気にしてくれてたんですね?嬉しいです。」
「凛・・・」
好きな人に思われることが、心配されることが・・・・
「大好きなお兄ちゃんにそこまで思われて、僕は幸せです。」
「ば!?ばっか、はずいんだよ!!」
「わっ!?」
耳まで赤くなると、私の髪を掴んでグシャグシャする瑞希お兄ちゃん。
「お祓いもだけど・・・今度は、もっと良い奴、烈司に作らせるから・・・」
「それでお兄ちゃんとおそろいなら、もっと良いです!ねぇ、烈司さん?」
「はいはい、ごちそー様!凛たんの頼みじゃ断れねぇーからな。」
「分割になりますが、2人でお願いします!」
「そんなことしなくても、凛たんは無料でいいよ。瑞希だけの後輩じゃないんだからな?」
「わ、くすっぐったいですよ~?」
そう言うと、ほっぺをプ二プ二と押す烈司さん。
「こらこら、俺の凛で遊ぶな!」
「お?1人占めかよ、瑞希?」
「うるせぇーオメーの準備が整うまで、凛は俺が預かる!」
そう言って、背後から私を抱きしめる瑞希お兄ちゃん。
(ああ・・・背中に伝わるあなたの心音、心地いいでーす♪)
後ろから抱きしめてくる両手に、私も両手を添える。
(怒られない、かな?)
目だけで見上げれば、ニヤリと笑う好きな人。
怒ることも、注意することもせず、代わりに優しく抱きなおしてくれた。
(怒るどころか、親切ぅ~)
〔★凛には嬉しい環境となった★〕