彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)
〈あ、わりぃ!黙れって言ったのに、返事要求しちゃおかしいよな~ごめんな?〉
そんなことないないです。
謝らないで。
〈言わなくていいからな?凛なら、わかってくれてるからよ!〉
「~!?」
も、もちろんわかっていますとも、瑞希お兄ちゃん♪
そう言いたいけど声は出せない。
出せないけど、その優しい声に答えたい。
どうすれば、伝わる!
どうやって~!?
混乱、迷い、焦り、もどかしさ!
その気持ちが一つになって私を動かした。
〈じゃあ、俺の言った通りにするんだぞ、凛?〉
「チュッ!」
〈へ?〉
きゃあああああああああ!やっちゃった!!
受話器に向かってキスする。
その音が、私の耳にも彼の耳にも伝わる。
〈り!?お前、今の~!?〉
あああああああああ!!やっちゃった!
やらなければよかった!
でも、いいもん!
やけくそだ!!
「チュッチュッ!」
再度、受話器に口づける。
これに瑞希お兄ちゃんは・・・・
「ばか。」
楽しそうな声で返してくれた。
「その様子なら、もうブルってないな?ちゃんと調べるんだぞ?」
「チュッ!」
〈ぷっ!あははは!ホント、面白いなぁ~凛はー?〉
怒られなかった。
顔中熱くなるけど、嬉しくなる。
〈じゃあな、キス魔?息苦しくなったら、いつでも俺のところに来いよ?〉
チュ♪
(え?)
甘い声と、謎の音。
それで電話は切れた。
「・・・・・・・え?」
今のって・・・・?
最後に耳に届いた音。
私が出していた音に似ている。
てことは、まさか~~~~~~~!?
(チューしてくれたぁぁっぁ!!?)
いやぁーん!瑞希お兄ちゃんのエッチ!スケベ!色男!!
(大サービスキタぁー!!)
携帯電話を抱きしめ、ガッツポーズを取る。
〔★凛は浮かれている★〕
(よぉーし!瑞希お兄ちゃんからのキッスも頂いたし、がんばるぞー!!)
家じゅうくまなく、探し回ってやる!
調査終了目標は、今日中よ!
スキップで出そうな足音を消しつつ、捜査現場の1つであるリビングへと向かった。
〔★凛のやる気スイッチは瑞希だった★〕