彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)
朝からシャワーを浴びる。
「どうしたの、凛?寝汗かいちゃったの?」
「ううん。朝からシャワーを浴びると、血行が良くなって勉強に集中できるんだって!これからそうするの。」
「まぁえらい、えらい!朝からすごいやる気ね~」
「へーそれなら、夏期講習も楽しみだな?」
「そうだね、お母さん、お父さん。」
のん気な両親に、こぶしを使った反抗期を起こしたくなる。
けっきょく、家中を捜査して、仕掛けられていたのは私の部屋のベット付近だけだった。
おかげで、テストの徹夜から身を守るための徹夜をさせられた。
部屋にいないのを誤魔化すため、アリバイ作りのために借りてきたジャックバウアーのDVDをかけ続けた。
(24時間戦うってこういうことなのね、ジャック?)
〔★凛はジャック・バウアーに親しみを感じている★〕
今日から始める朝シャンだってそう。
私が瑞希お兄ちゃんと会いに行ってるのが、ばれないための裏工作の1つ。
「凛、昨日、部屋でテレビを見ていただろう?」
「え!?うるさかった、お父さん・・・?」
「いや、テスト後の息抜きも必要だからいいんじゃないか?」
「え!?そうだったの?ダメじゃない、凛!朝シャンしても、夜更かしをしたら意味がないのよ~?ちゃんとベットで寝なさい。」
「ご、ごめんなさーい、お母さん。」
(そのベットが危なくて寝れねぇんだよ・・・!)
ニコニコと笑いながら、舌打ちしたいのを我慢する。
「凛、今日もお母さん仕事で遅くなるから~」
「わかってる。お昼も、夜も自分で何とかするよ。」
「おい、作って行かないのか?」
「あら、そういうあなたが作ればいいじゃない?私も働いてるのよ?」
「あ、大丈夫だよ、2人共!気分転換にもなるし~それよりお父さん、たまにはお土産買っ
てきて!今回はテスト頑張ったから?」
「お、そうか、そうか♪じゃあ、ケーキで買ってこようか?」
「まったく、娘には甘いんだから。」
「当たり前だろう、自慢の可愛い娘なんだから!
「お父さん。」
「凛が渕上さんのお嬢さんとお友達になったおかげで、お父さんも顔が広くなったからな~ははは!」
「そ、そうなんだぁ~ははは・・・」
感動した気持ちが急降下する。
我が家を侵食する毒を、どうしてやろうかと思いながら朝食の席についた。