彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)
「お客様が来てくれるのは嬉しいけど、凛ちゃんだと~モニカちゃんはもっと嬉しいわぁ~!幸せいっぱいよぉ~ん♪」
「ありがとうございます。あ、窓まで全開にしてちゃってるんですね?」
「だって、閉め切った上にクーラーの空気が巡回してるだけなのよぉ~時々こうしないと!」
そう言いながら、開けっ放しになっている扉の真ん中に看板を置いた。
「どうかしら、凛ちゃん?」
「いいと思います。その位置でしたら、道の邪魔にはなりませんし、看板もよく目立ってますよ。」
「だよねぇ~!喉乾いてるでしょう?何を飲む?」
「ストロー付きのオレンジジュースを頂きます。他の皆さんは?」
「みーちゃんはお仕事&コーヒー豆の仕入れ、イオリンは学校、れーちゃんは心霊スポット巡りに行って死にかけてる学生ちゃん達を助けるための除霊に行って、皇助は知らなぁーい!」
「できれば、烈司さんのこと、詳しく知らない方がよかったです・・・」
(今が一番出やすい時期だもんね・・・)
〔★肝試しは、年中できる★〕
「ということで~今日は二人っきりよーん♪」
「そうみたいですね。」
「あらためて、いらっしゃい!凛ちゃん♪」
そう言いながら、私を抱きしめてほっぺにチューをする。
〔★習慣となっていた★〕
慣れてしまった挨拶を受けながら、モニカちゃんに言った。
「モニカちゃん、今回はありがとうございました!」
「いーのよん♪凛ちゃんのためなら、モニカちゃんはなんだってするわ~それより、おやつにしましょう?冷たいジュースが凛ちゃんを待ってるわよ~♪」
「ありがとうございます。」
私をクッションのあるソファーに座らせると、ご機嫌で用意してくれるモニカちゃん。
「モニカちゃん、ますみちゃんのことですが・・・・」
「知ってる!ますみちゃんを陥れようとした奴らが、退学になったんでしょう~?」
「ご存知でしたか?」
「情報通だからねん♪片淵セイヤも少年院に入っちゃうし~蛇の目も、これで本当に終わりでしょう?」
「そのことですが・・・」
彼女が私の前におやつを持ってきた時に聞いた。
「もしかして、噂になっていた僕への刺客・・・片淵セイヤだったんじゃないでしょうか?」
「違うと思う。」
迷いながら聞けば、即答で否定するモニカちゃん。
「違うんですか?」
「だって、片淵セイヤは『自分のために』動いたじゃない?」
「自分のため?」
「そうよ~」
私の分のおやつと、自分の分のジュースを机に置きながら彼女は言う。