彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)
◆呼び出し上等!!喧嘩も恋も、万々歳!?
白の特攻服に腕を通す。
「凛。」
「瑞希お兄ちゃん。」
「準備できたぞ。」
そう言って呼ばれた先には、整備された愛用のバイク。
悠斗君と秀君の誘拐に関しては、すぐに瑞希お兄ちゃんの耳にも入っていた。
「休憩時間に、モニカからのメールを見てビビったぜ。高千穂を差し置いて誘拐とはな。」
「本当です。帰りが、3人乗りで運転できるか心配ですよ。」
仕事中の瑞希お兄ちゃんに、モニカちゃんが知らせていた。
「あの・・・相手は、他の奴に言うなと書いてましたが・・・?」
「だから、メールできたんだろう?口で言ってねぇーじゃんか?」
「とんちですか!?」
〔★それならセーフだ★〕
「俺のシフトが早出の日で助かったぜ。凛の見送りに間に合ったからな?」
「すみません・・・でも、嬉しいです。」
「素直に嬉しいだけ言え!遠慮ばっかりしやがって?」
「わ!?だ、だって~」
背後から抱きしめられ、テンションが上がる。
夜のガレージに瑞希お兄ちゃんと2人きり。
モニカちゃんは、涼子ちゃんを送り届けてから帰ってこない。
烈司さん、獅子島さん、百鬼さんには連絡したけど・・・・
「心配しなくても、他の奴らも後から合流する。」
「お忙しいですもんね。」
「ばか。作戦だよ。」
「作戦?」
聞き返せば、背後から耳打ちされた。
「一か所に集まれば、目立つだろう?それとも、『弁才天』みたいに、俺らもオトリにするのか?」
「っ!?どうしてそれを!?」
「俺でもそうするからだ。合格だぞ?」
ウィンクされて頭をなでられる。
(そこまで見抜いていらっしゃるなんて・・・・・さすが、初代総長・・・!)
ヤマト風に言えば、惚れてまうやろう~♪だね!!
〔★今さらである★〕