彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)





「こいつを持ってくるのが、お前の提示した条件だったからな。さぁ、2人を返してもらいましょうか?」

「だったら、ひざまずいて、龍星軍の旗を渡しな!!2人を返すかどうかは、その後のタイマン次第だ。」

「なに!?」





不敵に笑う悪の親玉。





「タイマンに勝てば、2人を返してやる!」

「はあ!?果し状には、そんなこと書いてなかったじゃないですか!?」

「タダで返すわけねぇだろう!?気に入らねぇなら、断ってもいいんだぜー!?」



(こいつ!最初から真面目に取引する気はなかったのね!?)





だからといって、目の前の2人を助けないわけにはいかない!





「お前にとってこいつらは、付き合いの短い新米龍星軍!爆裂弾歴の方が長い仲間だもんなぁ~!?」

「そんなの関係ない!同じ看板を背負っている以上、大事な仲間だ!」

「馬鹿野郎凛道!こんな奴の言いなりになるな!龍星軍の旗は絶対に渡すな!」

「悠斗君!?」

「そうだっ!俺達に構うな!お前が龍星軍の旗を差し出して、蛇の目なんぞに集団リンチにあうぐれーなら、俺らは舌をかみ切って死ぬぞ!?」

「秀君!」

(そんなこと言われても・・・!)





悠斗君は、顔の半分が腫れ上がってる。

秀君は両手の先が血だらけになってる。

制服も・・・2人共、上半身裸でボロボロ。

薄暗い中でもわかる怪我のひどさ。





「いいんだぜー凛道!こいつら見捨てるのも計算のうちだからよぉ~龍星軍が大事なんだもんなー!?」

「本当に見捨てるなら・・・僕はここまで来ない!」

「だったら、龍星軍の旗を出せ!」

「渡すな、凛道!」

「俺達を助けてぇなら、このまま逃げろ!」

「くっ・・・!」

「どーする、ジャック・フロスト!?」





(卑怯よ・・・!!)





そう思ったのは、私だけじゃなかった。



< 655 / 715 >

この作品をシェア

pagetop