彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)
「こいつを持ってくるのが、お前の提示した条件だったからな。さぁ、2人を返してもらいましょうか?」
「だったら、ひざまずいて、龍星軍の旗を渡しな!!2人を返すかどうかは、その後のタイマン次第だ。」
「なに!?」
不敵に笑う悪の親玉。
「タイマンに勝てば、2人を返してやる!」
「はあ!?果し状には、そんなこと書いてなかったじゃないですか!?」
「タダで返すわけねぇだろう!?気に入らねぇなら、断ってもいいんだぜー!?」
(こいつ!最初から真面目に取引する気はなかったのね!?)
だからといって、目の前の2人を助けないわけにはいかない!
「お前にとってこいつらは、付き合いの短い新米龍星軍!爆裂弾歴の方が長い仲間だもんなぁ~!?」
「そんなの関係ない!同じ看板を背負っている以上、大事な仲間だ!」
「馬鹿野郎凛道!こんな奴の言いなりになるな!龍星軍の旗は絶対に渡すな!」
「悠斗君!?」
「そうだっ!俺達に構うな!お前が龍星軍の旗を差し出して、蛇の目なんぞに集団リンチにあうぐれーなら、俺らは舌をかみ切って死ぬぞ!?」
「秀君!」
(そんなこと言われても・・・!)
悠斗君は、顔の半分が腫れ上がってる。
秀君は両手の先が血だらけになってる。
制服も・・・2人共、上半身裸でボロボロ。
薄暗い中でもわかる怪我のひどさ。
「いいんだぜー凛道!こいつら見捨てるのも計算のうちだからよぉ~龍星軍が大事なんだもんなー!?」
「本当に見捨てるなら・・・僕はここまで来ない!」
「だったら、龍星軍の旗を出せ!」
「渡すな、凛道!」
「俺達を助けてぇなら、このまま逃げろ!」
「くっ・・・!」
「どーする、ジャック・フロスト!?」
(卑怯よ・・・!!)
そう思ったのは、私だけじゃなかった。