彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)
百鬼の話を聞き、ヤバいと思ったのは私だけじゃなかった。
「おお!?いかん、いかんぞ、凛!百鬼はんにもしゃべったら、あかーん!」
「ヤ、ヤマト!?」
浮かれていた男が、初めて慌てだす。
「いくら草食系男子が増えたとはいえ、やりすぎやで!!超危険な肉食系が身近に存在してるやんか!?」
「いや、あれは雑食でしょう?それも肉食じゃなくて、野獣系?まぁ主食は肉ですけど。」
「そうかもしれんけど、問題はそこちゃう!絶対に、言ったらあかん!次の日曜日、午後6時に猫の群れの銅像の前で会うまで、合コン話は他言無用や!!内緒やで!!?」
「わ、わかりました・・・」
私の両肩をつかみ、ただならぬオーラを出しながら言うヤマト。
(さっきとも違う威圧感(いあつかん)・・・本当に本気で、恋しちゃったのね・・・・)
私が逆の立場でも、そうするけど・・・・
必死過ぎる男に、首を縦に振るしかなかった。
〔★Yesとしか言えない空気だ★〕
「大河君も!カンナはんに言うたらあかんで!?女の子はおしゃべりな生き物やさかいな!?」
「え!?カンナさんにも内緒!?」
「はあ?言われなくても、言うわけねぇだろう?」
「え!?言わないの、円城寺君!?」
「言ってどうすんだ、凛道?まさか、連れてく気だったのかよ?」
「いや、そうじゃないけど・・・仲間はずれにしてるみたいで・・・」
「お前さ、いつもカンナを意識した発言してるけど、気があるのかよ・・・!?」
「あるわけないでしょう、悠斗君?僕は友情の線引きはちゃんとできてるんです・・・!」
「うっ!だ、だったら、いいけどよぉ~」
疑う相手に、疑いの余地がないよう言い返せば、すねながらも納得してくれた。