彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)


百鬼の話を聞き、ヤバいと思ったのは私だけじゃなかった。


「おお!?いかん、いかんぞ、凛!百鬼はんにもしゃべったら、あかーん!」

「ヤ、ヤマト!?」



浮かれていた男が、初めて慌てだす。



「いくら草食系男子が増えたとはいえ、やりすぎやで!!超危険な肉食系が身近に存在してるやんか!?」

「いや、あれは雑食でしょう?それも肉食じゃなくて、野獣系?まぁ主食は肉ですけど。」

「そうかもしれんけど、問題はそこちゃう!絶対に、言ったらあかん!次の日曜日、午後6時に猫の群れの銅像の前で会うまで、合コン話は他言無用や!!内緒やで!!?」

「わ、わかりました・・・」


私の両肩をつかみ、ただならぬオーラを出しながら言うヤマト。


(さっきとも違う威圧感(いあつかん)・・・本当に本気で、恋しちゃったのね・・・・)


私が逆の立場でも、そうするけど・・・・

必死過ぎる男に、首を縦に振るしかなかった。



〔★Yesとしか言えない空気だ★〕



「大河君も!カンナはんに言うたらあかんで!?女の子はおしゃべりな生き物やさかいな!?」

「え!?カンナさんにも内緒!?」

「はあ?言われなくても、言うわけねぇだろう?」

「え!?言わないの、円城寺君!?」

「言ってどうすんだ、凛道?まさか、連れてく気だったのかよ?」

「いや、そうじゃないけど・・・仲間はずれにしてるみたいで・・・」

「お前さ、いつもカンナを意識した発言してるけど、気があるのかよ・・・!?」

「あるわけないでしょう、悠斗君?僕は友情の線引きはちゃんとできてるんです・・・!」

「うっ!だ、だったら、いいけどよぉ~」



疑う相手に、疑いの余地がないよう言い返せば、すねながらも納得してくれた。



< 66 / 715 >

この作品をシェア

pagetop