彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)
◇天使!?悪魔!?初代メンバー最強武勇伝!!
合コンの約束をした日、久しぶりに『フェリチータ』が開店した。
「ありがとうございましたー!」
閉店直前まで、店内はお客さんであふれていた。
「凛!これ、2番札の人の持ち帰り分!渡してくれ。」
「はい、瑞希お兄ちゃん!」
ラストスパートをかける瑞希お兄ちゃんに、私も足並みをそろえる。
「お待たせしました!」
「ありがとう、凛ちゃん。」
「いつもありがとうございます。」
「いいよ、瑞希君。ここのコーヒーは消費者に優しい。」
「体にも優しいからね。」
「ありがとうございます。」
なごやかな常連客に、瑞希お兄ちゃんがお礼を言う。
安い値段と安全商品ということで、お客さんも多い。
日付が変わったと言うのに、人は途切れなかった。
久しぶりに見る瑞希お兄ちゃんに、お客さん達の話しもつきないからだ。
「瑞希、やっとお店を開けてくれたからね~最近、忙しかったの?」
「すみません。夜店の準備もあって。」
「本当に!?今年もお祭りに出るの!?」
「じゃあ、買いに行かなきゃね~」
瑞希お兄ちゃんの言葉に、常連のお客さんが喜ぶ。
「瑞希君のコーヒー美味しいもんね~」
「久しぶりだと、格別だよね~」
お客さんが来るのも、美味しいコーヒーのおかげ。
「瑞希君、今日も可愛かったわ~」
「癒されたよね~」
店主である瑞希お兄ちゃんの仁徳もあり。
「凛ちゃん、可愛いよね~!」
「ちょこちょこ動いてて、思わず触りたくなっちゃう~!」
「頭撫でちゃったー!」
「ほっぺ、プ二プ二しちゃったよ~」
(そして私は・・・・・・・・どうなんだろう。)
可愛いというのは、『男』としてってことになるよね?
それなのに頭撫でるとか、完全に『動物』扱いだよね?
「いや~凛がいると、女性客増えるぜ。年下との男の子は、癒されるらしいからよ?」
「そ、そうですか・・・」
瑞希お兄ちゃんが褒めてくれるからいいけど、私女の子なんだけどな・・
言えないけど、本当は女子なんだけどなぁ・・・
(複雑だわ・・・・)
〔★素直に喜べない★〕