彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)

ご機嫌なモニカちゃんが私を呼ぶ。



「凛ちゃーん♪」



同時に、子猫か子犬でも触るように、なでまわされる。



「わわ!?モニカちゃ~ん!?」

「こら、モニカ!凛を大事に扱え!」

「してるわよぉ~ねぇ、凛ちゃん?」

「おーい、モニカ。早く凛たん連れて来いよ。」

「まさに、連れ去りだな。」

「わははははは!身代金いくらだ~!?」



注意する瑞希お兄ちゃんがキッチンに入り、他の先輩達が待つ席に、私をお持ち帰りするモニカちゃん。

私を手元に置くと、ご機嫌でオネェさんは言った。



「うふふふ!今日は凛ちゃんが来てて、よかったわー!そうじゃなきゃ、手伝ってないもーん♪」

「薄情だな、おーい?」

「だって、みーちゃん!あたし達が来た時、円城寺ちゃん達がジャマで、凛ちゃんが見えなかったのよぉ~」

「わははは!男どもが全員集合してたのは、瑞希姫誘拐事件以来じゃねぇか!?」

「だれが姫だ!?」

「つーか、あいつら引き上げるのが早かったな?円城寺なんか、瑞希がいる日は、日付変わるまで側にいたがるくせによ~」

「同感だ。まるで、悪さでもしていたようじゃないか。聞かれたら困る話でもしていたようだな。」

「言われてみればそうだよな・・・。人の顔見るなり、解散しやがって。凛、何話してたんだ?」

「え!?あ、ああ、はい・・その~」

「遊びに来てたんじゃなかったのか?何の用だったんだよ?」



話を振られ、出された疑問へと慎重に答えた。


「じ、実は~ちょっと顔を合わせで集合解散しただけで~」

「顔合わせ?」

「えーと、確認を取ったと言いますか~」

「なんの?」



止まらない瑞希お兄ちゃんからのツッコミ。


それを止めるために言った。


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