彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)
「前回の、蛇の目からの攻撃をふまえまして・・・第2回真田瑞希さん誘拐事件を想定して、瑞希お兄ちゃんの無事を確かめるために集まっただけでして~」
「バッキャロー!そう何回も連れさらわれてたまるかっ!」
赤い顔でプリプリ怒る瑞希お兄ちゃん。
〔★瑞希は信用した★〕
良い感じに、話を信じてくれた相手に、作り笑いで答える。
「で、ですよねぇ~!?瑞希お兄ちゃんに限って、ないとは思いましたが~念のためと言いますか~」
「どこに念を入れてんだ、ばか!大きなお世話だぞ!?」
私の話に、継続して大声を出す瑞希お兄ちゃん。
「そう思ってるなら、馬鹿な話をしてんじゃねぇぞ、凛!?俺を保護してるつもりでいるのか、オメーらは!?」
「ははは!いいいじゃんか、瑞希~」
「愛されてる上に、心配されて、ぜいたくじゃないの~?」
「ガキ共の好きにさせてやれ、瑞希姫。」
「わはははは!今度も凛助王子が助けに来てくれるからな~」
「だから姫言うな!今度もねぇーよ!」
私のデタラメに、瑞希お兄ちゃんがさわぐ。
その様子を見て思う。
(よかった、誤魔化せて・・・・!)
嘘ついてごめんなさい、瑞希お兄ちゃん。
本当は違います。
(瑞希お兄ちゃん達に、気づかれないために急いで解散したんです・・・!)
〔★凛は話題を変えるのに成功した★〕
助けた女の子からの頼みと、ヤマトの一目惚れをかなえるため、合コンをすることになった龍星軍の男達。
彼らとしては、瑞希お兄ちゃん達にばれるのは嫌らしくて、内緒にしろと言われた。
多数決の前に、総長と言う立場の無力さを痛感する。
だから、その直後に帰ってきた瑞希お兄ちゃんとモニカちゃんと烈司さんに、全員が慌て、逃げるように帰って行ったのである。
(本当に・・・・合コンとかどうしよう?)
生まれて15年、合コンの誘いはもちろん、関わることもなかった。
瑞希お兄ちゃん以外の男にも興味がないので、私には無縁だと思っていたが・・・
―蓮君が好き―
―合コンしようよ―
(イマドキの女の子は、エネルギッシュだな・・・・)
〔★凛もイマドキだ★〕
(私を男と思って交際を申し込んできただけでも困るのに、合同でお見合いをするなんて。)
「凛、なんかあったのか?」
「え?」
アンニュイな気持ちでいたら、全員分のカフェインを乗せたトレーを持った瑞希お兄ちゃんがやってきた。