お金か愛か~16歳男子の決断~
「よし。歩莉、授業始まるからこのバカ放って行くぞ!」


俺はスタスタと先に歩き出した。


「え!?ばいばい!」


歩莉は急いで俺の横に来た。


「惟智って双子なんやね~!びっくりしちゃった!」


「ん?でも二卵性だから似てへんやろ?」


まぁ、男女なんだから二卵性に決まってるけどな。


「智柚はかわいい!見た時、わぁ~って思ったもん!惟智もかっこいい!美男美女の双子やね!」


はしゃぎながら言う歩莉。


かっこいいって…照れるって…!


そんなお世辞…///


「あっ!お世辞ちゃうしなぁ?」


歩莉は俺の心を読みとるように言った。


今日が初対面なのに、そんな感じがしん。


「俺のことはいいから…!////…智柚は性格悪いで?俺も妹も、家でこき使われるし…。」


智柚はほんまにひどい。


妹の柚香や香耶…俺までもをこき使い、自分はいいとこのお嬢様気分。


母さんおらんのにご飯も作らんし、洗濯もしんし…。


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