お金か愛か~16歳男子の決断~
「歩莉!…前の学校でここやった?」


「うん!前の学校のほうがちょっと進んでたわ!いい復習♪」


ほっ…。


よかったぁ…。


「心配ありがとなぁ…!」


「う…ううん!」


…なぜか照れてしまった。


理由は…わかってる。


歩莉の笑顔や。


かわいくて…かなり感情が伝わってくる。


例えば『ありがとう』やったら、普通の『ありがとう』の何倍も感謝されている気がする。


今日会ったばっかりやのに…心臓はうるさくて、もっとしゃべりたいって思う。


前にも感じたことのあるこの感覚…


忘れかけていたこの感覚…


俺は歩莉が好きなんや…。


数学の授業が頭に入ってこんくらい考えてた。


歩莉のことを。


恋って不思議。


好きって気づいた瞬間に、その人中心になってまう。


「…ち!惟智!」


ぱっと気がつくと、目の前には歩莉と都希がいた。


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