お金か愛か~16歳男子の決断~
父さんは帰りが遅いから俺が作る。


「残念やけど、今日の夕飯は肉!」


もう俺の中では決めていた。


ごはんと味噌汁と豚肉のしょうが焼きとサラダ。


…足りひんかな?


「えぇ~。ヘルシーに魚でいこーよ!」


…智柚め…。


自分は食うだけなくせに…。


「じゃあ自分で作れよ…。」


「嫌!」


智柚はそっぽを向く。


…むかつく…。


「ごはん、惟智が作んの!?」


歩莉が驚いた声をだした。


「そうやで?いっつも帰りはこんな会話やねん。全く…智柚が作ればいいのになぁ!」


都希がかわりに答えてくれた。


最後にあった嫌みに智柚がおとなしくしているわけもなく…智柚と都希は争いだした。


おいおい…。


「お母さんは…?忙しいん?」


歩莉が遠慮がちに聞いてきた。


「実は母さん死んじゃってんだ。」


母さんは香耶を生んですぐに…。


なんでかはよく知らん。



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