お金か愛か~16歳男子の決断~
「全然いいで!それより…なんかあった?」


心配そうな目で俺をじっと見る歩莉。


ただ心配してくれてるだけなんやろうけど…


俺にとっては…うん…。


顔がだんだん熱くなってく。


視線が交わるなか、俺は目をそらした。


「大丈夫…!考え事してただけやし。」


「考え事…?」


歩莉は首をかしげる。


う…


歩莉のこと考えてたなんて言えへんし…


「えっと…その…」


「今日の夕飯のこと考えてたんやんな!」


都希はそう言って、俺に目で合図した。


話合わせろよって。


「あっ、うん!昨日は肉にしたし、今日は智柚の要望に答えよっかなって。」


俺は内心慌てつつも、平静を装う。


「昨日も考えてたし色々大変なんやね。うちも夕飯とか手伝いたいけど料理できひんし…」


歩莉はそう言ってうつむいた。


ドキッ…


また俺の胸は高鳴る。


歩莉の笑顔だけじゃなくて、こういう優しさにも…惚れてる。



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