お金か愛か~16歳男子の決断~
「智柚、都希も来るからな。」


そう言ってもう一度智柚のほうを見ると、笑顔だった智柚はだんだん表情が変わっていく。


もちろん悪い方向に。


「…はぁ!?なんであいつが!?惟智の料理が余計不味くなるやん!」


ん?


今…なにげに俺も侮辱受けたような…。


「俺の作る飯が…なんて?」


「だからーっ!惟智の作る料理が余計不味く…あっ…。」


俺の耳は間違ってなかったみたいやな。


そこまで広くない心の持ち主の俺は怒りがふつふつと沸き上がる。


「ほぉ~俺の飯が不味いと?何年も俺に飯作らせておいて不味いと?」


俺はにっこりと微笑み智柚を見る。


悪魔の微笑みなんちゃう?


…と自分でも思ってしまう程、腹がたっている。


智柚はもともと俺には素直じゃない。


やから、実際は本当に智柚が俺の作る飯を不味いと思ってるかなんてわからんねんけどな。



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