お金か愛か~16歳男子の決断~
「はぁ~い…。」


素直に俺の言うことを聞く智柚。


智柚が素直や…と驚いていると、智柚がまた口を開いた。


「惟智って…歩莉のこと好きなん?」


俺はこの言葉を聞いた瞬間、具材を切っていた手の動きが止まった。


…智柚にもバレとる!?


胸の鼓動がだんだん速くなっていくのがわかる。


智柚にバレるのだけは避けたかったのに…。


だっておちょくられるし?


「好きやで?友達としてな。」


軽い感じで言ってごまかす。


「女の子としてどうか聞いてんの!」


智柚が少し声を張る。


…やっぱりごまかせへんよな…。


でも認めるわけには…!


「ない!絶対そんな気持ちないって!」


俺は手を振って必死に言う。


「へぇ~♪」


そう言う智柚をちらっと見た瞬間、俺は青ざめた。



< 30 / 102 >

この作品をシェア

pagetop