お金か愛か~16歳男子の決断~
「何を言うん?」


協力しよ~とか言うんちゃうやろな?


「もちろん惟智が歩莉を好きなことやけど?」


ドアに手をかけた智柚がにやっと言う。


あ…そのことか。


「ふ~ん。」


俺は安心し相づちを打って、フライパンを取り出す。


そろそろ春巻きの具とか炒めんと。


「え!?何その冷たい反応は!?まさか…」


俺は大きく目を見開いて指を差す智柚に答える。


「あぁ。都希にはとっくにバレてる。」


「…なぁんや。つまんないの~。洗濯しまってこよ…。」


智柚はやっと洗濯をしまいにベランダへ行った。


それにしても…


「智柚にバレるなんてなぁ…。」


「何がバレたん…?」


後ろから小さな声がした。


…え?


振り向くと…


「柚香!香耶!」


がいた。


2階で遊んでいたはずの2人。


いつのまに…。



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