お金か愛か~16歳男子の決断~
「ごめん。いきなり変なこと言って…。歩莉の家、次どっちやっけ?」


俺は歩莉から体を離し、歩き出した。


逃げ…


そうかもしれんけど、困ってる歩莉を見たくはなかった。


「い…惟智!」


「え…?」


俺の思考回路が一瞬停止した。


だって…歩莉が後ろから…


俺に…抱きついてきたから…。


「うちの気持ちは聞いてくれへんの…?」


聞いてくれへんの…って…


俺は自分から歩莉を離し、向き合った。


俺は背がギリギリ160cmなくて、歩莉は智柚と同じくらいやから…たぶん155cmくらい。


あまり変わらないから顔も近い。


「俺と歩莉は…友達やんなっ!歩莉がよかったらやけど、これからも友達でいてほしい。」


ドキドキしながら俺は言いきった。


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