お金か愛か~16歳男子の決断~
「歩けるように…なる確率は…ひっく…かなり低いって…。それに…寝たきりの状態が結構…続くみたい…。」


そんな…


歩莉のおばあちゃんが寝たきりで…


歩けへんかもしれんなんて…


歩莉のおじいちゃんもおばあちゃんも、結構若い。


歩莉の話では確かまだ60歳になってへんはず。


早くよくなってほしい!


こう強く願ったとしても…


叶わんのかなぁ…?


「惟智にね…会って話したいことが…グスッ…だから…今日今から会えへん…?」


会って話したいこと…?


「今からか…?」


「うん…いきなりでごめんなぁ…」


俺は時計を見る。


針は16:00をさしていた。


16:00なら…晩飯の支度はまだ大丈夫。


歩莉に会いに行きたい…!


「わかった。どこに行けばいい?」


「○○医院…」


俺は「すぐ行く」とだけ言って電話を切った。


そして…俺は走った。


歩莉の待つ場所へ。


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