お金か愛か~16歳男子の決断~
「惟智くん…おはよう…ご…ございます…!」


明らかに真っ赤な顔で一生懸命あいさつ をしてくれたんは、伊集院咲羅[イジュウインサクラ]。


同じクラスの子で智柚の友達。


「伊集院さん、おはようございます。お顔が赤いようですが…熱があるのですか?」


俺は少し意地悪をしてみた。


彼女の顔が赤い理由なんてわかりきってる。


俺に恋愛感情でもあるんちゃうかなぁ。


「い…いえ…!大丈夫です!」


一層赤くなる伊集院さん。


「咲羅、おはよう♪」


智柚が伊集院さんに話しかけた。


やっと智柚と都希の戦いは終わったようやな。


「惟智…伊集院さんってお前のこと絶対好きやって!惟智も気づいてるんやろ!?」


こそっと都希が言う。


「なんとなくな。」


「付き合うんか!?」


直球やな…おい…。


「相手は金持ちで顔も申し分ないし告られたら…付き合う。」


逆玉の輿や。


「惟智…伊集院さんに『好き』とかいう感情持ってへんやろ?やのに…なんで…。」


都希は親友。


親友には…隠し事とか嘘は無理やんな…。



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