お金か愛か~16歳男子の決断~
気づいてたんや…。


俺がどんなに自分の気持ちを隠しても、みんなにはバレるんやな…。


「智柚に気づかれてるとは思わんかった。

…その通り、最初はそうしようかて思ってた。

でもやっぱりあかんやろ?

伊集院さんにも悪いやん…。」


「そっか。今はそんな気持ちないんやんな?やからここに来たんやろ?」


俺はうなずいた。


「伊集院さんに背中押されてん。伊集院さんはほんまにいい子やな…」


「あの…さ、話が見えないんやけど…」

歩莉が申し訳なさそうに言った。


智柚が家に帰ってからちゃうくて今言ったのは、たぶん歩莉にもこの話を話せってこと。



俺の気持ちと一緒に言うから…。



「ごめん、歩莉。うちの話はこんだけやから…先に帰るなぁ!」


「え!?智柚…!」


歩莉が立ち上がった。


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