お金か愛か~16歳男子の決断~
「歩莉、座って?」


俺は目をそらさずに言った。


「う…うん。」


「智柚が俺に言ったこと…説明するわなぁ。」



俺は…


よく智柚に『逆玉』にのれって言われてたこと。


伊集院さんに好意を持たれてるのをわかってたこと。


俺の幸せはどうでもええから、智柚と柚香と香耶に幸せになってもらいたかったこと。


伊集院さんと付き合おうと思ってたこと。


歩莉への気持ち以外のことを話した。


「ほんまに最低なことしてたと思う。

バカやったと思う。

そんな俺が言っても信じてもらえんかもしれん。

でも…素直に言わしてほしい。

俺は今でも歩莉が好き…。

もう歩莉のことをなんとも思ってへんって思い込んでた。

でもな?

今日久しぶりに会ってわかってん。

付き合ってたあの頃と同じ…いや、それ以上に身体が反応してた。


俺は…歩莉が好きです…」


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