デキ愛レッスン!?
第一章 嵐を呼んだ夕雨子
とある水曜日の、もうすぐ朝の11時になるという頃、目を覚ました夕雨子は、「あぁよく寝た」と思いながら、顔と両手を上げてグーンと伸びをした。
白い半そでTシャツに、赤いショートパンツをパジャマ代わりに着ている夕雨子は、まるで真っ白な子猫のようだ。その姿と仕草は、とても可愛らしい。
そして夕雨子は、腹部にまとわりついていた水色のタオルケットを払いのけると、ベッドから降りた。
床に足をつけたトンという音が、軽やかに響く。
夕雨子は部屋のドアを開けた。全て一続きになっているLDKエリアには、彼女以外誰もいない。母・夕香子と、大学の図書館司書をしている双子の妹・夕里子もこのマンションに一緒に住んでいるが、二人とも水曜日のこの時間は、仕事に行っている。留守なのは当たり前だ。

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