デキ愛レッスン!?
精悍な顔立ちに、流れるような身のこなし。宗像嵐には、「高貴」という言葉がとても良く似合う。「嵐」というよりも、嵐の前の静けさ的な雰囲気を、いつも醸し出している、彼はそういう男だ。
彼の右肩に担がれている黒いバッグの中には、つい先程まで道場にいた柔道の稽古着が入っているのだろう。
どちらかというと細身な宗像は、高貴な雰囲気と相まって、一見すると柔道は不向きだと思われがちだが、意外と筋肉質な体型をしており、筋力と運動神経はある。だからというわけではないが、彼は柔道4段という実力の持ち主だ。彼よりガタイの良い男を投げ飛ばすのも造作ない。
帰ろうかと夕雨子がウジウジ悩んでいる間に、宗像が彼女の前にスッと立った。


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