デキ愛レッスン!?
初めての告白に、恥ずかしさが先立つ夕雨子の頬は、手にはめているミトンの色のように赤くなっているはずだが、宗像が発した言葉はこうだった。
「俺の誕生日は今日じゃない」
「し、知ってるよ!これは義理チョコ!ほら、あんたには時々柔道で世話になってるし・・・。だから今日はバレンタインデーってことで、要するに感謝のしるしってやつよ」
「おまえは義理で税抜き1万円のチョコをプレゼントするのか」
「う・・そ、それは・・」
「おまえの金銭感覚は一体どうなってるんだ?まさにガキだな、おまえは」
「そんなことどうでもいいでしょ!いいから受け取って!」
「悪いが受け取れない」
「な・・・なんで・・」
まさかチョコを受け取ってもらえないとは思ってもいなかった夕雨子は、明らかにショックを受けていた。そんな彼女を、宗像は目をすがめて見る。少し苛立ってるのを表すように、乱れてもいない短髪をかき上げるような仕草をした。
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