笑って。僕の大好きなひと。
肩をつかんだノアの指に、力がこもる。そこから熱い体温が流れこみ、わたしの心まで届いた。
「ノ、ア……っ」
こんな状況で落ち着くことなんて、できない。楽観視なんて、できっこない。
けれど、ノアを信じることなら、できる。
「お願い……トモくんを助けてっ……」
泣きじゃくるわたしに、ノアはやわらかく微笑んだ。
そして、吹雪で乱れたわたしの前髪をかき上げて――
「絶対に助ける。約束だ」
そっと、おでこにキスをした。