笑って。僕の大好きなひと。
年賀状の写真には、相変わらず明るい三人の笑顔がプリントされていた。
「実里さんからだ」
直筆のメッセージが入ったそのハガキを手に、わたしは頬をゆるませた。
『あけましておめでとう! タマちゃん、東京でも元気にしていますか? またいつでも遊びにきてね。みんなで待ってるよ。
PS:お腹の子の名前を“たまき”にしたいと、トモに熱烈希望されてます!』
思いがけない追伸に、わたしはひっくり返りそうになった。いきなり何を言い出すんだ、トモくん……。
でも、もし本当に赤ちゃんの名前が“たまき”になったなら。ちょっと恥ずかしいけれど、やっぱり嬉しくもある。
そして、その子が大きくなったとき、同じ名前であることを誇ってもらえるような人に、わたしはなりたい。
東京に戻って、早十日。わたしたち家族は、なんとかうまくやれていると思う。
正直かなりぎこちないし、ケンカしそうになることもあるけれど。