好きって。
すきって。
朝起きて、顔を洗う。
鏡には寝癖がついてる不細工な顔が映ってる。
今日から高校2年生になる私は少し似合ってきた制服を着て家を出た。

眠いなぁ…なんて思いながらいつものホームに並んでたら
「悠、おはよう!」
って元気な声が聞こえる。
「美咲おはよ。」
美咲とは一年の頃からの付き合いで、なにかと一緒にいることが多く気づいたら一緒に登校する仲になっていた。

「ねね、悠。同じクラスかな?」

「さあ、どーだろう。」

「もー!冷めてる!あーあ、もっとキャピキャピしたいよ~!」

「美咲ちゃん、同じクラスだといいね!!…って言えと?」

「な、なんかごめんね…」

電車のドアが開いて今日もたくさんの人が降りてくる。
その中になんとか入っていく私たちはタブン結構強い。

美咲はスカートを折って履いているからか痴漢に合うことが多いようだ。
私はスカートの下にジャージを履くタイプだから未だ未経験だ。
…経験したいとも思わないけど。

学校の最寄り駅に着いて降りると同時に美咲が走って後を付いてくる。
「マジであのオヤジ許せない…」
とか小言を言いながら。

私は何度も注意してるんだけどね。
オシャレにスカートが短いのは欠かせないとかで、女って面倒だなって。


学校に行くまでに何人か仲間が増えていく。
美咲がいつも寄るコンビにで太一と合流。

「おはよ。今日も一段とメイクが濃いっすね!」
なんて嫌味をぶつけながら、焼き鳥を食って公園付近を通る。
嫌味をぶつけられた相手はムスッとしながら私の腕に引っ付く。
「太一のばか!サイテー!!」
お怒りのようだ。

ギャーギャー騒いでると公園から顔をのぞかせる瑞希。
「あれ…また喧嘩してる…」
「放っとこう、私ら先に行こうか」
「ヒドイ!悠ったらー!」
「悠は今日も安定でイケメンだなー」

うるせえ。
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