好きって。
学校に着くと先生が美咲と太一を指差して怒鳴る。
内容は端折るけど、まあ…注意かな。

髪の毛どうにかしろとか、ピアス外せとか。

私もたまにジャージのこと言われるから人のこと言えないんだけどさ。

瑞希はいつもイイ子だから何を言われるわけでもなくニコニコ愛想振りまいて歩いてるけど。
「瑞希はなんか悪いことしたいなって思わないの?」
「確かに!息苦しくね?」

瑞希は少し苦笑いをして
「僕、小心者だから怒られるの嫌だし…思わないかな」
って答える。
チラッと私を見て助けてって顔するからフォローしてあげる。
「悪いこと進めるとか不良生徒じゃん、こわー」

美咲と太一は笑いながら
「フリョーセートでーす!!」
なんて大声で言うもんだから先生にまた怒鳴られてた。
私と瑞希はそれを見ながら笑ってた。


クラス発表の前に一度前のクラスに行くんだけど、やっぱり周りはクラス一緒がいいね、なんて話題で持ちきりだった。

「ねえ、悠はさ何組だと思う?」
「瑞希は?」
「僕はねゆ」

「お前らー新学期からキャピキャピしてんなー。
まあ明日にはテストがあるし盛り上がってばっかじゃいられんけどなー」

元担任様のご登場だ。
「うるせーよー!」
太一が突っ込みを入れてクラスが笑いに包まれてく。

「太一はムードメーカーで凄いよね」
ふふっと瑞希が笑って私も笑う。

「あ、そうだ瑞希。さっき何か言いかけなかった?」

「あ、ううん。一緒のクラスだといいねって、みんなさ。」

「そーだね。なんだかんだ楽しかったし。」

少しだけしんみりした気持ちで教室を見回して、一年間お世話になった机の撫でた。
みんなが体育館に移動し始めて、私たちもクラスを後にした。
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