好きって。
「アイス美味かったなー」
「誰かさんは人の食べたしねー」
「うわ、ねちっこいなー悪かったって」
「いいけど…こ、今度…水族館」
「お、いいな水族館」
「ほ、ほんと…」
「なあ、悠と瑞希も水族館いいと思わね?」
「思わねえ」
「ぼ、僕はいいと思うけど」
「…あの、太一!」
「あ?なんだ?」
「ふ、二人がいいの」
「え、二人って…俺と美咲?」
コクと静かに頷く美咲。

少しの沈黙。

「な…んで、俺?瑞希とでも…あ、アイス食ったから?」
「あの、ち、違うの…」
もじもじしてる美咲を見てるとなんだかくすぐったくて、美咲を直視しない太一も顔が赤くてやっぱり今日はみんな変だ。

「美咲、太一のこと好きなんだって。行ってくれば?水族館。」
「え、マジ…?」
泣きそうな顔で私を見る美咲。
「なん…!!言わないでよ…!!」
言わないでくれなんて頼まれてないし。

「い、いいけど」
太一のその一言で美咲の顔が明るくなる。

「イチャイチャすんならよそでやれー」
なんて二人をからかってみたり。

よかったねって思うけど、口に出てこないのはそーゆーキャラじゃないから?


上機嫌の美咲と太一はふと振り返って瑞希に何か耳打ちする。

一瞬で顔を真っ赤にする瑞希。
仲間外れにされた気分でムッとする私。
「悠ちゃーん!」
「ゆーうーちゃーん」

太一と美咲がハモる。

「なに」
「もしよかったら、やっぱり四人で水族館行かない?」
「瑞希は行くんだ…じゃあまあいいけど。」
「よし!じゃあ決まりね!!」
「今週の土曜でいい?」
「いいよ」
仲間に入れてもらえたみたいでちょっと嬉しかった。

家に帰りながら好きってどーゆー気持ちなのか考えた。
好きな音楽はあるし、好きな色だってあるけど…美咲の好きってそれと一緒なのかな。
だったら私は三人が好きだから、みんなといれたら幸せなのかもしれない。
そーいえば、瑞希に太一のことが好きなの?って聞かれたな。
なんでだろう。
瑞希の聞いてきた好きって、太一とデートしたりしたいかってことだよね。
別に私は誰かとそーゆーことするの、みんながいればいいんだけどな…。
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