いつもの場所
SECOND PLACE
1. 運命の男

「結婚式かぁ~、いいなぁ~、もう一回やりたいな~」



と、目を輝かせるのはまだ半年前に式をあげたばからりのネムだった。



「5年も経てばそんな気失せるよ」



冷静に、かつどこか冷めたように凛々子が吐いた。



「またそんな冷めたことを!これから朱美に幸せが待ってるのに~!」



ネムはまた自分のドレス姿を想像しながら、当時の余韻に浸っているようだった。



そんなネムも、この中で一番の幸せ者になるまでにどれほどの険しい道を辿ってきたかを皆が知っていたので、彼女のノロケ話も今だほほえましい。



そう、人生で2度の大恋愛をするなんて、今思えば羨ましい限りだが決して同じ道を通るのはごめんだ。



「そういえばネムと一週間違いで直樹も結婚したらしいね。」



さらりと口にした凛々子の言葉に朱美と絵里は息を飲んだ。



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